歯周病病気の症状集

2011年10月03日 category : 口・歯・あご タグ: , ,

歯周病の症状

  • ・歯肉が赤く腫れて、出血する
  • ・歯がぐらつく
  • ・歯根が見えるようになる
  • ・歯が抜ける

歯周病が影響する病気

  • ・誤嚥性肺炎
  • ・動脈硬化
  • 糖尿病
  • ・心内膜炎
  • ・早産、低体重児出産
  • ・口腔がん

歯周病とは

「歯周病」とは、最近の感染によって、歯ぐき(歯肉)や、歯根が埋まっているあごの骨(歯槽骨)が炎症を起こして、徐々に破壊されていく病気です。

歯周病は、炎症が歯肉にとどまっている「歯肉炎」と、歯槽骨にも炎症が広がった「歯周炎」に分けられます。通常は20歳前後の若い年代から歯肉炎が起こり始め、10~20年かけて悪化し、30歳代後半以降に様々な自覚症状が出てきて、初めて歯周病に気づくことが多いようです。

歯周病ははじめは目立った症状がなく、気づかないうちにゆっくりと進行します。放っておくと最終的には歯が抜けてしまうことになるので、早く見つけ対処することが大切です。

歯周病の原因

口の中にはたくさんの細菌が存在しており、その中に歯周病の原因となる「歯周病菌」と呼ばれる細菌があります。この歯周病菌が集まって固まり、歯の表面に塊となったものを「プラーク(歯垢)」といいます。このプラークは2日間取り除かれずにそのままになっていると、「歯石」になります。またプラークは放置すると歯ぐきに炎症を起こして、歯との間に「歯周ポケット」という溝ができます。歯周ポケットは徐々に深くなり、さらにプラークや歯石がたまってしまいます。

歯周ポケットが深くなると、そこにプラークがたまり歯磨きでは取り除けなくなります。また歯石になってしまっても歯磨きでは取れません。日頃からしっかりとプラークを取り除くことが大切になってきます。

歯周病の症状

歯周病は歯肉炎を経て、歯周炎(軽度~重度)へと進みます。それぞれ以下のような症状が現れます。

歯肉炎

歯肉に炎症が起こって、歯肉が腫れたり、歯を磨いたときに出血したりしますが、痛みはほとんどありません。

軽度の歯周炎

歯周ポケットが深くなり、歯槽骨が溶け始めます。

中等度の歯周炎

歯槽骨がさらに溶けて、歯ぐきが後退し、歯が伸びたように見えます。また歯が前後にぐらついたりします。ときどきひどく腫れて痛んだり、血や膿がでることがあります。(これを急性発作といいます。)

重度の歯周炎

歯槽骨のほとんどが溶けてしまい、歯のぐらつきがひどくなります。

急性発作の腫れや痛みは、膿が出ると2~3日で治まりますが、歯周炎が治ったわけではありません。慢性的な炎症は続いていて、歯槽骨も溶け続けています。

急性発作は過労などで抵抗力が低下しているときなどに起こりやすく、また、歯周炎が進むほど、急性発作がよく起こるようになります。

歯周病の問題点

歯周病は歯の病気ですが、全身にもさまざまな悪循環を与え、病気を引き起こすことがあります。

動脈硬化

歯周病菌が血管の壁につき、そこに白血球などが集まることで動脈硬化が促進されます。また、動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高くなります。

糖尿病

歯周病菌がつくる物質によって、糖尿病が悪化してしまいます。また、糖尿病が進むと歯周病も進行するので、悪循環になってしまいます。

心内膜炎

「心臓弁膜症」の人や人工弁を使っている人では、弁のまわりの血流が悪くなりがちです。そこに歯周病菌がつくと、心内膜で増殖して、「心内膜炎」を起こすことがあります。

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」によって、歯周病菌が肺に入り、肺で炎症を起こします。

早産、低体重児出産

歯周病菌がつくる物質が陣痛を促して、早産を招いたり、低体重児出産を起こしやすくなります。

口腔ガン

歯周病菌がつくる物質によって、口の中にがんができる可能性が上がります。

気を付けよう

歯周病の発症や悪化には、喫煙や過労、ストレスなどが関係しているといわれています。

喫煙

喫煙習慣のある人は、ない人より歯周病を起こしやすいといわれています。たばこのニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯肉などの血流が悪くなって炎症が強まります。

過労やストレス

過労や睡眠不足で体力が低下したり、過剰なストレスが加わると、抵抗力が低下します。抵抗力が低下すると、歯周病菌の働きが強まったり、活発に増殖して、歯周病が悪化します。規則正しい生活を心がけて、ストレスをためないようにしましょう。

プラークコントロール

さて、歯周病は歯周病菌の塊である「プラーク(歯垢)」が原因で起こることが分かったと思います。歯周病では原因となるプラークを口の中からできるだけ取り除くことが、基本的な治療法であり、予防法でもあります。このプラークを口の中から除去することを「プラークコントロール」といいます。プラークコントロールには、患者さんが自分で行う方法と、歯科で専門家にしてもらう2種類の方法があります。

自分で行うプラークコントロール

基本的には、毎日の丁寧な「歯磨き」によってプラークを取り除くことができます。

プラークは中等度の歯周炎(歯周ポケットの深さが4mm以上)になると歯磨きでは取れなくなってしまいます。また、プラークを2日間放置して歯石になってしまっても、歯磨きでは取れなくなります。そのため歯磨きは毎日する必要があります。しかし、単に磨いているだけではプラークを取りきれないので、次のポイントに注意して歯磨きをしてみてください。

毛先を45度の角度で当てる

歯と歯肉の境目は、プラークのたまりやすいところです。この部分に歯ブラシの毛先を45度の角度で当てることで、プラークを取り除き、歯肉をマッサージして血行を良くすることができます。

歯ブラシを細かく動かす

歯ブラシを大きく動かしてしまうと、毛先が歯肉や歯に当たらずプラークが残ったり、逆に歯肉が大きくこすられて傷つくことがあります。

痛くない程度の力で磨く

強い力で磨くと、歯肉が痛んだり出血します。逆に弱すぎてもプラークが取れなくなります。鉛筆を持つようにして、「痛くなく、気持ちいい」と感じる力で磨きましょう。

これら3つのポイントを意識して、1本の歯の表裏を約20回ずつ磨きましょう。

食べたら磨く

また、食べ物や飲み物が口に入ると、口の中の細菌が増えてしまうので、「食べたら磨く」ようにしましょう。朝昼晩の食事の後だけでなく、間食をしたり、甘い飲み物を飲んだら磨くのが理想です。しかし、そうはいってもなかなか難しいので、最低でも一日一回は10分間かけて磨くようにしましょう。

歯科で受けるプラークコントロール

歯周病と診断された場合は、歯磨きではプラークを取れないので、次のような専門的なプラークコントロールが行われます。

プラークや歯石をとる

歯ブラシの届かない歯周ポケットの中のプラークや歯石を、「スケーラー」という専門の器具を使って取り除きます。

洗浄する

抗菌薬を使って歯周ポケットの中を洗浄します。

歯の表面を磨く

研磨剤を使い、歯磨きで取りきれないプラークを取り除きます。食べ物や飲み物などでついたステイン(沈着した色素)も溶かします。

この他にも、進行した歯周病に対しては手術をすることもありますが、その場合でもプラークコントロールは必ず行うほど大切です。また、治療してよくなった歯を維持していくためにもプラークコントロールは大切ですので、ぜひ今から実践していきましょう。

進行度に合わせた治療法

歯周病には歯周ポケットの深さなどから、歯肉炎、軽度~重度の歯周炎に分けられます。歯周病の治療は、どのくらい進行しているかによって変わってきます。しかし、上記でも書いた通り、歯周病ではきちんとプラークコントロールを行わなければ治療成績もよくありませんし、再発の可能性も上がってしまいます。

そこで、歯周病では歯科に行くと、まず検査を行い、時間をかけてプラークコントロールを行います。(患者さんが毎日の歯磨きをしっかり行い、歯科でプラークや歯石を取り除くことが基本治療になります。)そのうえで再検査をして、「基本治療のみを継続」「外科手術が必要」「再生治療が勧められる」など、その後の治療法を考えていきます。進行度に合わせた治療法を簡単に紹介してみましょう。

歯肉炎

歯周ポケットは3mm以内で、歯槽骨がまだ溶けていない状態です。この状態ですと、プラークコントロールをしっかり行うことで治すことができます。毎日の歯磨きが大切になってきます。

軽度の歯周炎

歯周ポケットが4~5mmで、歯槽骨が溶け始めます。この状態でも、基本治療で進行をくいとめられることが多いです。しかし、もう少し進行してしまうと手術などを考えなければならないので、早めに歯科を受診することが大切です。

中等度の歯周炎

歯周ポケットが6~9mmと深くなっています。歯槽骨もかなり溶けてしまい、歯がぐらつきます。この状態になると、プラークコントロールだけでは進行を止められないので、外科手術や再生療法が必要になってきます。

重度の歯周炎

歯周ポケットが10mm以上になり、歯槽骨が2/3以上溶けだしてきます。外科手術や再生療法をすることもありますが、ここまで来ると最終的には歯を残すのは困難で、多くの場合、抜歯や失った歯を義歯で補う治療が必要になってきます。

手術

歯周病が進んでしまい、歯周ポケットの深さが4~5mmになってしまうと、基本治療では限界がきてしまいます。そこで基本治療では取れないプラークや歯石をとるために「フラップ手術」をすることになります。

フラップ手術

まず、局所麻酔をして、歯の周囲に沿って歯肉を切り、めくっていきます。

基本治療の歯石除去では取りきれなかったプラークや歯石を、スケーラーを使って取り除いていきます。そして抗菌薬などで歯根の表面や歯周ポケット内をきれいに洗い流します。

その後歯肉をもとの位置に戻して、縫い合わせます。これは1週間後に抜歯をします。それまでは手術部位は歯磨きをしてはいけません。

歯周病の進行が軽度から中等度の場合には、フラップ手術によって歯周病の進行を止めることができます。手術時間は1時間~1時間半ほどで、入院の必要はありません。

再生療法

再生療法とは、細胞や組織がもともと持っている再生能力を利用して、歯周病で破壊された歯槽骨などを再生させようとする治療法です。この再生療法は、フラップ手術と同時に行われます。フラップ手術を単独で受けるより、再生療法を併用したほうが、歯槽骨などを再生させる効果が高いといわれています。

GTR法

フラップ手術で歯肉を切ると、傷口が治る途中で、歯肉表面の上皮が傷口の内側に入り込み、歯根膜や歯槽骨が下から再生するためのスペースを埋めてしまい、十分に再生しません。そこで人口の「遮へい膜」を置いて、スペースがなくならないようにすることで、歯根膜や歯槽骨の再生を促します。

症状が進行してしまうと、歯肉が後退し、遮へい膜を覆うだけの歯肉がなかったり、再生が追いつかないほど歯槽骨が溶けだしてしまうので、GTR法は使えません。

エナメルマトリックスたんぱくを使う方法

エナメルマトリックスタンパクというのは組織の再生を促す働きを持った特殊な物質です。フラップ手術で歯石を除去した後、歯根の表面にこのたんぱくを塗り付けます。するとこのたんぱくに誘導されて、歯根膜や歯槽骨が再生されてきます。

GTR法は最近保険適用が可能になりましたが、エナメルマトリックスたんぱくを使う方法はまだ保険で治療できないようです。歯科の先生とじっくり話し合ってどの治療をしていくのか決めていきましょう。

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