不整脈病気の症状集

2011年11月02日 category : 循環器 タグ: , , , , , ,

不整脈の症状

  • ・動悸
  • ・胸苦しさ
  • ・息切れ
  • ・だるさ
  • ・めまい
  • ・失神
  • ・脈が飛ぶ

不整脈に気を付けよう

不整脈とは心臓の拍動が乱れて、動悸や胸苦しさ、だるさや息切れ、めまいなどが起こる病気です。基本的に不整脈があっても問題ないことが多いのですが、不整脈の種類によっては命にかかわってくることもあります。患者さんの中には問題のない不整脈を必要以上に不安に思ったり、また逆に、治療が必要な不整脈を問題ないと思い込んでいる人もいます。このようなことがないように、不整脈の基本的な知識を頭に入れておきましょう。。

拍動の乱れ

不整脈の「脈」とは、正式には「脈拍」のことを言います。この脈拍とは、ドックン、ドックンという心臓の「拍動」のことを指します。この拍動のリズムや速さが乱れてしまった状態が不整脈なのです。そのため、例えば緊張したり階段を上ったりしたときに拍動が速くなるのも不整脈であるといえます。他にも病気によって不整脈になることがあります。

●心臓の病気…狭心症や心筋梗塞、心肥大、心不全など
●甲状腺の病気…バセドウ病など
●自律神経の失調…ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙、カフェインの入った飲料の摂取など

自律神経が乱れて起こる不整脈はあまり心配ありません。しかし、心臓の病気が原因で不整脈が起こっている場合は、命にかかわることもあるため、治療が必要になります。

不整脈の仕組み

我々の体は毎日休まず心臓を動かし、血液を全身に送ることで生きています。この心臓の働きは無意識に行っています。まず、心臓がどのように働いているかを知りましょう。

心臓は筋肉でできています。普通、筋肉というのは脳からの指示で動いているのですが、心臓は特殊で、心臓自らが発している「電気信号」によって動いています。心臓の右上の部屋(右心房)にある「洞結節」でつくられた電気信号が、心臓全体に伝わって刺激を与え、それによって心臓は拍動しているのです。この心臓の特殊な仕組みを「刺激伝導系」といいます。

この刺激伝導系によって電気信号が一定のリズムで発生して、心臓の各部位に正しく伝われば、正常な拍動を繰り返します。しかし、電気信号の伝わり方に異常があると、拍動が速くなったり、遅くなったり、あるいはリズムが乱れる不整脈が起こってきます。

不整脈のタイプ

不整脈では心臓の拍動(脈拍数)が速い、あるいは遅いのですが、これは健康な人と比べて判断しています。一般的に健康な大人の場合、脈拍数は1分間に60~100回程度といわれています(当然、人によって違いがあります)。この基準よりも拍動が速くなる場合を「頻脈性不整脈」、遅くなる場合を「徐脈性不整脈」といいます。

頻脈性不整脈

じっとしていても発作的に拍動が速くなる「動悸」を感じ、ひどくなると「胸苦しさ」を伴ったり、「失神」したりすることもあります。

この頻脈性不整脈であまり心配いらないのは、脈が一瞬跳ぶとように感じられる「期外収縮」で、健康な人にも良くみられます。治療が必要になるのは、脈拍数が約150~250回/分の「頻拍」、約300回/分の「粗動」、約400~500回/分の「細動」というタイプで、脈拍数が多いほど危険だといえます。

心房または心室がけいれん状態になる細動は、命にかかわることもあります。「心房細動」では、発作が長く続くと心房内での血流がうっ滞して血栓ができやすくなります。この血栓が血流にのって脳の血管に届くと脳の血管が詰まる「脳梗塞」を起こすことがあります。

そして、不整脈のなかで最も危険なものとして「心室細動」があります。心室がけいれんして収縮できなくなってしまうので、心臓から血液が送れなくなり、突然死してしまいます。

ただし、心室細動は心臓に病気がない人にはまず起こりません。日頃から心臓病の有無を確かめておきましょう。

徐脈性不整脈

拍動が少なくなり、心臓から送り出される血液の量が減るため、少し体を動かしただけでも「だるさ、息切れ」などの症状が現れ、ひどくなると「めまい、失神」を起こすこともあります。しかし、高齢者ではこれらの症状が出ずに「なんとなく気分がない」という表現をする人もあります。

徐脈性不整脈は、失神したときに転倒してけがなどをしなければ、通常、命にかかわる不整脈ではありません。

心電図検査

多くの不整脈は心配のいらないものですが、中には命にかかわる不整脈もあります。そのため医療機関ではこの不整脈の種類を調べるために検査をします。このとき不整脈だけでなく、心臓の異常を調べるための「心電図検査」を行います。

心臓は、自ら出している電気信号によって拍動しています。この心臓の微弱な電流を体の表面でとらえて、波形に描き出したものが「心電図」です。

健康な人の心臓では、心電図の波形は規則正しくリズミカルに繰り返されます。しかし、不整脈がある場合、例えば「徐脈性不整脈」では、波形が間延びしたようになります。「頻脈性不整脈」では、波形が立て続けに起こります。

このように心電図検査は、波形の乱れによって不整脈や心臓の病気を発見すると同時に、不整脈のタイプも診断できます。不整脈によって起こる可能性のある「息切れ、動悸、胸苦しさ、めまい」といった症状が少しでもあれば、一度心電図検査を受けてみましょう。たまに起こる症状が、危険な不整脈の前触れであることもあるからです。

心電図検査の種類

●12誘導心電図

医療機関で行う最も一般的な心電図検査です。ベッドで仰向けに寝て、胸・両手首・両足首の計10か所に電極を貼り、12種類の心電図を約15秒間同時に記録していきます。

●ホルター心電図

5つの電極を胸に貼ったまま、普段通りの生活をして、心電図を24時間継続して携帯型の記録器に記録していきます。

●家庭用心電計

しかし、上記の心電図検査では、月に1度や、年に数回というまれに起こる不整脈を見つけることは困難です。そのため、不整脈の発作が起きたときにすぐに記録できる「家庭用心電計」もあります。

家庭用心電計にはいろいろな種類がありますが、どれも簡単な操作によって、患者さん自身で心電図を記録することができます。次のようなことに注意して使用していきましょう。

・まず専門医に相談する

家庭用心電計は医師の指示のもとで借りるほか、薬局などで3万円程度で購入することもできます。しかし、不整脈で出る症状は他の病気でも現れることがあるので、まずは心臓の専門医を受診して、検査してから使うようにしましょう。

・症状が起きたらすぐに記録する

不整脈をとらえるには、症状が現れたらすぐにその場で記録する必要があります。心電計は常に携帯して、日頃から使い方をチェックしておきましょう。

1. 症状が現れたらすぐに家庭用心電計の電源を入れる

2. 落ち着いて楽な姿勢になり、右手に心電計を持つ

3. 左胸の乳首の約5cm下に、電極を密着させる

4. 測定ボタンを押して、30秒間静止する

5. 測定が終わると表示される結果を確認する

6. 結果は必ず医師に見せて、診断を受ける

不整脈の治療

薬物治療

主に「精神安定薬」「抗不整脈薬」「抗血栓薬」が使われます。

不整脈は自律神経のバランスが崩れて起こることが多いため、精神安定薬で自律神経のバランスを整えたり、不安を和らげて発作を抑えます。心臓が発する異常な電気信号が伝わるのを抑えるためには、抗不整脈薬が使われます。

「心房細動」がある場合は、血栓ができて脳が詰まってしまうことがあるため、血液を固まりにくくする抗血栓薬が使われます。これにより脳梗塞などを防ぎます。

手術

異常な電気信号の発生源を高周波電流で焼き切る、「カテーテルアブレーション」と呼ばれる手術があります。この手術は、脚の付け根などの太い血管から「カテーテル」と呼ばれる細い管を入れ、心臓まで伸ばします。そして、カテーテルの先端から高周波電流を流し、異常のある部分を焼き切ります。この方法は90%以上の人に高い治療効果が期待できるといわれています。

体内に機器を植え込む

電流を発する小さな機器を、鎖骨の下の部分の皮膚の下に植え込み、心臓に通した導線(リード)を使い、心臓に電気刺激を与える治療です。「心室細動」などの危険な不整脈に対しては、発作が起こった時にそれを感知して、心臓に電気ショックを与える「植え込み型除細動器」が用いられます。徐脈性不整脈の場合は、拍動が遅くなったときにそれを感知して、電気刺激を心臓に与える「ペースメーカー」を手術で植え込みます。

不整脈で倒れた場合

不整脈の多くは心配のいらないものがほとんどです。しかし、中には危険なものもあり命にかかわってくる不整脈があります。それは「心室細動」という不整脈で、一瞬の間に意識を失い、素早い対処を行わなければ、死に至ります。

心室細動が起きると、1分経過するごとに退院できる確率が約10%ずつ下がってしまうといわれています。現在、日本では119番通報から救急車が到着するまでに平均で6分かかります。そのため、心室細動が起きてすぐに対処しなければ、約6割の人が死亡することになります。

心室細動の救命処置

心室細動で倒れた人がいた場合、そばにいる人がいかに早く救命処置を行うかによって、その人の回復の度合いが変わってきます。この救命処置は「心肺蘇生」と「AED」の2つを覚えておきましょう。

心肺蘇生とは、「胸骨の圧迫による心臓マッサージ」と「人工呼吸」を行うことを言います。AEDとは「自動体外式除細動器」のことで、植え込み型除細動器と同じように心臓に電気ショックを与えて、拍動を正常に戻す装置です。

AEDは、機械が自動的に心電図を解析して、必要な場合にだけ除細動を行います。使い方などはすべて音声で指示してくれるので、専門的な知識は必要なく、簡単な操作で使えます。日本では、2004年から一般の人でもAEDを使えるようになったため、今では駅や空港、学校など様々な場所に設置されています。

●倒れている人を見かけたら

倒れている人がいれば、ためらわずに救命処置を行いましょう。もし万が一、救命処置の結果事故などがあっても、故意や重大な過失によるものでなければ、責任を問われることはありません。また、近くにAEDがなければ、胸骨圧迫による心臓マッサージだけでも救命率は上がります。落ち着いて自分ができることを最大限行うことが大切です。

●危険な不整脈を起こす可能性がある人は

心臓病があるなど、危険な不整脈を起こす可能性がある人は、外出の際などは極力誰かと一緒にいるようにしましょう。また、普段からAEDのある場所をチェックしておきましょう。

救命処置の手順

①反応を確認する

倒れている人がいれば、まずは車の往来のないところに移動させ、周りの安全を確保したうえで、倒れた人の肩などを叩きながら、大きな声をかけて反応を確認しましょう。

②119番通報をして、AEDを手配する

①をして患者さんに反応がなければ、まず119番に通報しましょう。その後AEDの手配をします。このとき、最初に119番に通報するのがポイントです。もし近くにAEDがなくとも救急隊が持ってくるので必ず先に連絡しましょう。

また、周りに人がいる場合にはその人たちに119番通報とAEDの手配を頼みましょう。このとき「誰か救急車を呼んでください」といっても、みんなが「誰かがするだろう」と思い連絡しないことがあります。声をかける際には「あなたは救急車を呼んでください。あなたはAEDを持ってきてください」と誰が何をするのかを明確にしておくと確実です。

③気道を確保し、呼吸を確認する

②の後は、患者さんを仰向けにさせ気道を確保させます。片方の手で患者さんの額をおさえて、もう片方の手の指先であごの骨を持ち上げましょう。

気道を確保できたら、患者さんの口元に顔を近づけて、普段通りの息があるか確認しましょう。もし、普段通りの息がなければ「心肺停止」と判断します。

④人工呼吸を行う(省略可)

心肺停止の場合、額をおさえた手で患者さんの鼻をつまみ、患者さんの胸が持ち上がるまで、患者さんの口に息を吹き込みます。だいたい、1回につき1秒かけて、2回息を吹き込みます。

ただし、口と口が触れることに抵抗があるのなら、人工呼吸は省略してもかまいません。心臓マッサージを行うだけでも効果があるのでそちらを行いましょう。

⑤胸骨圧迫による心臓マッサージ

患者さんの胸の真ん中を、1分間に約100回(1秒間に2回より少し遅いくらい)のペースでまっすぐ下に強く押します。1回圧迫したら、胸が元の位置に戻るのを待ち、再び圧迫します。これを30回行い、人工呼吸を2回行うのを繰り返します。(人工呼吸は省略してもかまいません)

⑥AEDの電源を入れる

AEDが到着したら、すぐに電源を入れましょう。種類によってふたを開けると電源が入るものや、電源ボタンを押すものがあります。電源を入れるとアナウンスが流れるので、落ち着いて指示通りに行いましょう。

⑦電極パッドを貼る

AEDのなかには電極パッドがあります。パッドは袋に入っているので破いて取り出し、パッドに描いているイラストの位置に貼り付けます。右胸と左脇腹の2か所に貼ります。このとき、ペースメーカーや植え込み型除細動器を植え込んでいる患者さんの場合には、皮膚が出っ張っているのでそこから2~3cm離した位置に貼りましょう。

⑧心電図解析と電気ショック

パッドを貼ると自動的に心電図の解析が始まります。操作する必要はありません。解析の結果電気ショックが必要だと判断されると、充電が始まります。このとき患者さんの体には手を触れないようにしましょう。充電が完了するとアナウンスがあるので、通電ボタンを押しましょう。通電されると患者さんの体がビクッとけいれんします。

⑨心肺蘇生を続ける

電気ショックが終わると、アナウンスがあります。電極パッドは外さずに、心肺蘇生を続けてください。AEDは2分ごとに心電図を解析して電気ショックをするか判断するので、アナウンスに従いましょう。そのまま明らかな回復がみられるか、救急隊が到着するまで救命処置を続けましょう。

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