前立腺肥大症病気の症状集

2011年10月13日 category : 泌尿器 タグ: , , , , ,

前立腺肥大症の症状

  • ・排尿困難
  • ・残尿感
  • ・頻尿
  • ・夜間頻尿
  • ・尿意切迫感
  • ・尿閉

尿のトラブルがあるときは

人間の体は男女で違いがありますが、男性にしかない器官として「前立腺」が挙げられます。男性の体は加齢によって前立腺に異常が出やすくなり、前立腺に異常があると尿のトラブルが起こります。尿は一日に何度も出るものなので、何かトラブルがあると生活の質(QOL)が大きく低下してしまいます。また、尿のトラブルがあっても「年のせいだから」と何もしていない人がいますが、一度きちんと検査をしてみるのがいいでしょう。

前立腺の仕組み

前立腺は男性特有の生殖器官で、精液の一部になる「前立腺液」を出して、精子の運動能力を高めたり、精子を保護しています。形や大きさは栗の実に似ていて、重さは約20gです。前立腺は膀胱の出口にあり、中心部を尿道が通っているので、前立腺に異常があると尿のトラブルが起こるのです。

排尿の仕組み

尿をためる「蓄尿機能」と、尿を排尿する「排尿機能」は、主に膀胱と前立腺の働きです。この働きは膀胱の筋肉、膀胱の出口にある「内尿道括約筋」、前立腺の下にある「外尿道括約筋」、前立腺の筋肉がそれぞれ上手に働いて、排尿をコントロールしています。

膀胱に尿をためるときには、膀胱の筋肉がゆるんで広がります。その反対に、尿道括約筋(内・外尿道括約筋)や前立腺の筋肉は収縮して、尿が出るのを防ぎます。イメージとしては水風船に水を入れるときに、風船本体(膀胱)は広がり、水が出ないように入り口(尿道)はしっかり締めておくのに似ています。

膀胱の中に尿が一定量たまると、今度は尿を排出しようと膀胱が収縮します。それと同時に、尿道括約筋と前立腺の筋肉がゆるんで、尿が排出されます。水風船の話だと、中の水を勢いよく出すために、入り口(尿道)から手を放し、風船本体(膀胱)をグッと握るような感じに似ています。

前立腺肥大症

尿のトラブルを起こす主な病気には、「前立腺肥大症」「前立腺がん」「前立腺炎」などがあります。中でも、年をとると前立腺肥大症になりやすく、悩む人が多いといわれています。

前立腺は、尿道のまわりの「内腺」と、前立腺液をつくる「外腺」に分けられます。前立腺肥大症では内腺のほうに小さなしこりができて、それが徐々に大きくなると尿道を圧迫し、尿トラブルを引き起こします。水風船の話で例えると、水の入った風船の入り口が硬いゴム(肥大した内腺)になってしまっている状態です。前立腺の肥大は加齢とともに進み、60歳の男性では50%以上に、85歳までには90%の男性に前立腺の肥大がみられます。

前立腺肥大症の主な症状は、「トイレが近い(頻尿)」「夜間頻尿」「突然尿意が起こり、トイレに間に合わない感じがする(尿意切迫感)」などの蓄尿の障害や、「尿が途切れる」「いきまないと尿が出にくい」「残尿感がある」などの排尿の障害があります。

しかし、このような症状があっても、「年のせい」とほうっておく人が少なくありません。ですが、前立腺肥大症が進むと、やがて自分ではほとんど排尿できなくなって、「腎不全」や「尿路感染症」「膀胱結石」などを引き起こす危険性があります。「少し尿が出にくいだけだ」などと楽観視せず、自分の症状がどの程度進んでいるのか把握して、必要があれ治療を受けるようにしましょう。

前立腺肥大症の検査

前立腺肥大症が疑われるときには、次のような検査を行って診断します。

血液検査

「PSA(前立腺特異抗体)」の値を測定します。PSAの値が高い場合は、前立腺がんが疑われます。

直腸診

医師が肛門から直腸に指を入れ、直腸の壁越しに前立腺に触れて、肥大の大きさや硬さなどを調べます。良性の肥大とがんとの鑑別もある程度可能です。

超音波検査

肛門から機器を挿入して前立腺に向けて超音波を発し、前立腺の形や肥大の程度、がんかどうかなどを調べます。また、おなかから超音波を当て、膀胱の残尿の程度を調べます。

尿流量検査

前立腺肥大症と診断されたら、排尿障害の程度を調べる「尿流量測定検査」が行われます。前立腺肥大症が進行すると、排尿の勢いが低下し、排尿にかかる時間も長くなります。

前立腺肥大症の自己チェック

前立腺肥大症があり尿のトラブルがあっても、人によっては「年のせいだから気にしない」と考えて病院などを受診しないこともあります。確かに加齢によって多くの人が前立腺肥大症になりますが、やはり放置しておいてもいいということにはなりません。なぜかというと、前立腺肥大症は進行していくと、自分ではほとんど排尿できなくなり、「腎不全」や「尿路感染症」、「膀胱結石」などを引き起こす可能性があるからです。

まずは、自分の症状がどのくらい進んでいるのかを知っておき、必要があればしっかりと治療を受けることが大切です。

チェックの方法

前立腺肥大症の症状をどの程度感じているかを点数化して、重症度を判定する方法が「I‐PSS(アイ‐ピーエスエス:国際前立腺症状スコア)です。ここ1か月の排尿の状態について、次の7つの項目に答え、点数を合計します。

1. 排尿後に尿がまだ残っている感じがある

2. 排尿後2時間以内に、もう1回排尿しなければならない

3. 排尿の途中で尿が途切れる

4. 排尿を我慢するのがつらい

5. 尿の勢いが弱い

6. 排尿を始めるときに、いきまなければならない

7. 夜寝てから朝起きるまでにトイレに起きる回数

1~6の答えを点数化する

・まったくなし…0点

・5回に1回の割合より少ない…1点

・2回に1回の割合より少ない…2点

・2回に1回の割合…3点

・2回に1回の割合以上…4点

・ほとんど常に…5点

7の答えを点数化する

0~4回までは、その回数を点数として加える

5回以上はすべて5点とする

判定の目安

0~7点⇒軽症

8~19点⇒中等症

20~35点⇒重症

(注)しかし、症状の感じ方には個人差がありますので、次の「QOLスコア」と合わせて判断します。

QOLスコア

このスコアでは尿トラブルが日常生活にどの程度支障をきたしているのかみるために使います。やり方は非常に簡単ですので1度試してみましょう。

質問

「現在の排尿の状態が一生続くとしたらどう思うか」を数字で答えましょう。

大変満足:0-1-2-3-4-5-6:大変不満

答えた点数が

0~1点⇒軽症

2~4点⇒中等症

5~6点⇒重症

等症以上の人は

このように「I‐PSS」や「QOLスコア」などで簡単に前立腺肥大症の症状のチェックをすることができます。何か少しでも尿のトラブルがある人は、まずこのチェックをしてみましょう。

このチェックのどちらかで中等症以上と判定された場合は、一度医療機関を受診して、前立腺などに異常がないかを調べるようにしましょう。

前立腺肥大症の進み方

前立腺が肥大して、尿トラブルが起こる病気を「前立腺肥大症」といいます。しかし、前立腺が肥大していても尿トラブルがなければ、前立腺肥大症とはみなされません。また、肥大の程度と症状の強さは必ずしも一致せず、肥大が小さいのに症状が強く現れたり、逆に肥大が進んでいても症状があまりないこともあります。

前立腺肥大症の進行と症状

前立腺が肥大する原因はまだ解明されていませんが、加齢によるホルモンバランスの変化が関係していると考えられます。また、食生活の欧米化によって、高脂質、高動物性たんぱくの食事が増えたことも、肥大の一因といわれています。

前立腺肥大症の症状は、一般的に次のように進んでいきます。

第1期(刺激期)

肥大した前立腺が尿道や膀胱を圧迫して刺激し、「頻尿」や「突然尿意が起こり、トイレに間に合わない感じがする(尿意切迫感)」が起こります。特に夜中に頻尿になることが多くあります。このほかに、尿道や股間の不快感、圧迫感などを訴える人もいます。しかし、症状に気付かない人もいます。

第2期(残尿発生期)

内腺が尿道や膀胱の出口部分を圧迫します。すると、尿の通りが悪くなるため、膀胱に無理な力がかかって、膀胱の筋肉が厚くなります。そうなると、「尿が出にくい」「いきまないと排尿できない」などの症状が起こります。また、 膀胱にたまった尿を出し切れなくなり、「残尿感」も現れます。急に尿が出なくなる「急性尿閉」が起こることもあります。

第3期(慢性尿閉期)

自分でほとんど尿を出せない「慢性尿閉」になります。また、膀胱の筋肉が厚く硬く変化し、弾力が失われて、膀胱内の尿を出せなくなります。そうすると、膀胱の容量を超えた分の尿が、ダラダラと絶えず漏れ出るようになります。(これを溢流性尿失禁といいます)

さらに、腎臓から尿道に至る尿の通り道(尿路)全体に影響が及んで、「腎不全」「尿路感染症」「膀胱結石」などを招く危険性もあります。

治療方針

前立腺肥大というのは、良性の腫瘍です。がんのようにほかの臓器に転移したり、周囲の組織に広がるようなことはありません。そのため、治療の目的は「夜中にトイレに起きることなく、十分に休める」「トイレを気にせずに生活できる」など、前立腺肥大による尿トラブルを改善して、普段の生活の質を高めることにあります。

前立腺肥大症の治療法には、「薬物療法」と「手術療法」の2つがあります。症状が軽い場合には特に治療の必要はありませんが、前立腺がうっ血すると症状が悪化しやすいので、「長時間座った姿勢のままでいない」「お酒を飲み過ぎない」など、日常生活の改善が大切になります。

薬物療法

α遮断薬

最もよく使われる薬です。前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげて、尿の通りを改善します。この薬はもともと降圧薬として作られたので、血圧を下げる作用があります。そのため、副作用として「立ちくらみ」「めまい」「頭痛」などが起こることがあります。

抗男性ホルモン薬

前立腺の肥大には、男性ホルモンが関係していると考えられています。抗男性ホルモン薬は、男性ホルモンの作用を抑えて、前立腺を小さくし、尿の通りをよくします。

なお、効果が出るまでは数週間かかります。また、「PSA(前立腺特異抗体)」の値を下げる作用があり、前立腺がんの発見が遅れてしまう可能性があるので注意が必要です。

漢方薬

前立腺のうっ血やむくみを改善することを目的に使用することがあります。八味地黄丸など体の状態に合うものを選んで使っていきます。

手術方法

薬物療法をしても十分な効果がない時は、手術療法が検討されます。今までは開腹手術が一般的でしたが、最近は内視鏡やレーザーを使う方法が進歩し、患者さんの体への負担は大幅に軽減されるようになっています。

TURP(経尿道的前立腺切除術)

尿道から「切除鏡」という内視鏡を入れて行う手術法です。切除鏡の先端からループ状の電気メスをだし、高周波電流で前立腺を少しずつ削ります。削った組織は膀胱内に落として、最後にまとめて吸引します。手術は1時間程度で、3~5日間入院するのが一般的です。

TURPの対象は、大きさ(容量)が100ml前後までの前立腺です。それ以上になると、2回に分けたり、開腹手術を行う場合があります。

HoLEP(ホーレップ)

尿道に内視鏡を入れて、レーザー光線を照射する「レーザーファイバー」を送り込みます。レーザーファイバーを前立腺の内腺と外腺の境目に入れて剥離させ、内腺の部分をくりぬきます。切り取った前立腺はいったん膀胱内に落として、内視鏡を使って取り出します。入院期間は3~4日間程度です。この手術も100ml程度までの前立腺が対象ですが、一部の病院ではより大きな前立腺に対しても行われています。

HoLAP(ホーラップ)

HoLEPと同じように、尿道にレーザーファイバーを送り込み、尿道に面した前立腺にレーザーを当てます。このHoLAPでは前立腺を削るのではなく、前立腺の組織を蒸散させ、尿道を広げます。イメージとしてはレーザーで氷を解かすような感じです。そのため、蒸散させるのに少し時間がかかってしまうので、40~50ml程度までの前立腺が対象になります。入院期間は3~4日間程度です。

合併症

これらの手術をすると、手術方法に関係なく治療後は膀胱の出口が広くなるため、多くの場合、射精のときに精液が膀胱に逆流する「逆行性射精」が起こります。ただし、膀胱に逆流した精液は、尿とともに流れ出るので特に心配はありません。射精の感覚も残ります。

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